一人でも生きていけるスキルを身に着けるために
新卒で大手SIerに入社しました。入社してから退職するまでずっと地方銀行の基幹システムをメガバンクに合わせる共同化プロジェクトを担当していました。すでに保守運用フェーズに入っており、私は7人チームの一員でした。
転職を考えたのはアサインされてすぐ、自分にスキルが身に付くのか不安に思ったからです。作業はファイルのコピぺのようなもので、新しいスキルや知識を身に付けるのは難しい環境でした。とはいっても、人は環境に馴染んできてしまうもので、退職を決意するまでに3年ほどかかりました
転職活動はIT業界に絞り、とにかくスキルが身に着けられる企業を探しました。私自身どんな適性があるのか分からなかったので、一人でも生きていけるようなスキルを身に付けられるかどうかを軸に考えました。ただ、開発をやりたい気持ちは強く、開発に携われる会社であるかどうかは重視していました。自分の作ったものが動く瞬間は「面白い!」と感じるので、プログラミングをしたいという気持ちがあったのだと思います。
最終的な決め手は、面接で「他でもできるような案件は断っている」と聞いたこと。難易度が高いプロジェクトが多そうな印象を受けたのをよく覚えています。入ってみたら本当に最新技術を駆使した難しいプロジェクトがゴロゴロありました。また、単なる保守運用はやらないということにも非常に惹かれました。本質的な課題をITスキルで解決する姿勢は入社後により強く感じており、まさにウルシステムズならではなところです。
内製化に向けたアジャイル開発を経て
入社後はテクノロジーコンサルティング部に所属し、「内製化」をテーマにした技術的支援を担当してきました。「内製化」とは、外部委託していたシステムの開発や運用を、自社のリソースを使って遂行できるように切り替えることです。お客様は、金融業や卸売業、製造業など、幅広い業種のお客様を担当させていただきました。金融業のお客様を担当した際には、お客様が自社でクラウドを有効活用し、アプリケーションを開発できることを目指し、基盤構築やアプリケーションの開発支援を行いました。どのようなプロセスでどのような技術スタックを使えば内製化を実現できるかを検討し、お客様のメンバーとチームを組んでサンプルのアプリケーションを開発しました。
その他にも、クラウドパイプラインの構築やインフラの設定をソースコードで管理するIaC化にも取り組みました。開発手法には、アジャイル開発の一種である「スクラム」を用いました。未経験だったので初めは戸惑うこともありましたが、スクラムのスペシャリストである上司の手厚いサポートのもと、「実践→フィードバック→改善」を繰り返しながら、自分のスタイルを確立していきました。 ウォーターフォール開発は、スケジュールを重視し明確なゴールを目指してプロジェクトを進めますが、アジャイル開発はフィードバックと改善のサイクルを速いスピードで回して製品の価値を高めることを重視するため、プロジェクトの最中でもゴールを柔軟に変えていきます。これまで経験した開発のやり方と考え方が全く異なるので、この新しい考え方に触れ、自身のコンサルティングスタイルが日々進化していくのは面白いですし、転職して良かったと感じる理由でもあります。スクラムマスターを務めた際には、お客様やメンバーの意見を引き出し、落としどころを見つけることが大変でした。チーム全体でルールや行動を習慣化し、それに基づいた意思決定をすることでスピードと精度を上げることを目指して活動しました。お客様から「(Hiroyaさんのスクラムを)標準の開発プロセスにしていきたい」と言っていただけた時は、達成感でいっぱいでした。
プロジェクトを超える勉強会と交流
現在はテクノロジーコンサルティング部に所属していますが、かなり仲のいい部です。新卒入社の若手から部長までみんなで飲みに行きますよ。もちろん、飲み会だけが交流の場ではなく、実践的な情報共有の場もあります。週1回、複数のプロジェクトが集まってグループ会をしているのですが、プロジェクトの枠を超えて意見交換できる場があるのは嬉しいです。実際に、他のプロジェクトのメンバーからのアドバイスが、課題解決につながることもあります。
また、部主催の勉強会を全社に向けて行っています。最新技術を使った開発事例を紹介したり、話題になっている開発手法について参加者全員でディスカッションしたりするなどをしています。これからも、プロジェクトや部を超えたつながりを深めていきたいです。
プラットフォーム・エンジニアリングを用いた内製化
今後も内製化をテーマにした仕事をしたいと思っています。そのために、プラットフォーム・エンジニアリングを学んでいきたいです。個人的には、内製化を考えるうえで避けては通れないスキルだと思います。技術スタックで言えばIaCやパイプライン構築なども重要だと思いますし、組織論的な話も欠かせません。まだまだ学ばないといけないことは多いですが、内製化を通じてビジネスアジリティの向上を実現できるようなコンサルタントを目指していきたいです。